『相棒16』第5話 あらすじ&ネタバレ感想 “23年間の空白”を埋める事件発生!その時、冠城の恩師が事故に!

警察学校内で教官が転落している所を発見されました。同校で教鞭をとる、元警視庁鑑識係・米沢(六角精児)の連絡で現場へ急行した右京と冠城は、状況から事故ではなく事件性を感じたのでした。

怨恨説も噴出するほど厳しい姿勢の教官・樋口

相棒16
転落して意識不明のまま病院へ搬送された警察学校教官・樋口彰吾(佐戸井けん太)は、厳しい指導で有名でした。同校を卒業したばかりの特命係・冠城 亘(反町隆史)も、その行為には頷いています。
生徒のプライバシーまでも管理して、素行の悪い生徒に対しては「警察官としては不適格者だ」と宣告、退学させた生徒も多いのでした。そのため殺人目的の“突き落とし”と考えた場合には、在校生、卒業生、中退者を含めると、かなりの数が捜査線上に浮かび上がってくる事になります。

そんな時、冠城は在校生の手塚英雄(羽場涼介)から重要な証言を得ます。犯行推定時刻の深夜0時に、「校内を立ち去る知らない顔の女性を見た」と言うのでした。

データ流出事件との関連性が浮上する

その現場から立ち去った人物は、似顔絵から樋口の娘・真紀(南沢奈乃)だと判明します。真紀は吉祥寺北署の刑事で、現在は同管轄でおこった「ビジネスホテル変死事件」の捜査本部に詰めています。

真紀の身辺調査をしてみると、実は樋口の実子ではなく養子だった事が判りました。それも、23年前におきたデータ流出事件により自殺した犯人・桟原誠一の子供を引き取って育てられたのでした。
その親子の葛藤から、父である樋口を突き落としたと見るムキが大半の中、片山右京(水谷 豊)は今回の吉祥寺北署の事件との関連性を見つめていたのです。

事件のあらましは、大手電機メーカーのデータが流失。そのデータを奪った犯人・野田啓介が、潜伏先のビジネスホテルで死亡していたという事件でした。当初は“自殺か?”とも思われたのですが、犯人グループによる絞殺の可能性も出てきて、組織絡みの犯行の線も上がってきたわけです。後には、野田の息子が誘拐されて、脅されて行った事も判明しました。

その現在捜査されている事件と、23年前におこった事件には類似性が多いのも分かりました。もう1歩踏み込んで、同一犯人か模倣犯の可能性もアリです。
その点について、真紀は事件当夜に樋口を訪ねて警察学校に行ったのではないかと、右京は睨んでいました。なぜならば、23年前の捜査本部には刑事時代の樋口もいて、「桟原(真紀の実父)は自殺ではなく他殺では?」と主張していたからです。“今回の事件(ビジネスホテル変死事件)”との、繋がりを問い詰めに行ったのが真相でした。

事件の真相と親子の情愛

相棒16
その23年前の事件は、犯人の自殺という事で解決しましたが樋口は他殺の線を消せないでいました。再捜査の必要性を何度も上司に訴えましたが却下されます。その事件を最後に警察学校教官へ転任しています。

「生徒の身辺調査の記録を見てくれ」と樋口は、教え子だった冠城に病院から伝えました。そこで、転落直後に「校内で見かけた」と証言した手塚が反社会勢力のフロント企業「オールウェイズエステート」に出入りしていた事を掴みました。
本人に問いただした所「23年前の事件は時効でしょ?今回だって証拠があるわけじゃないし。警察はかっこうの隠れ蓑」と嘘ぶいています。

23年前の情報入手で稼いだ資金で手塚の父が起業したのですが、今回は資金繰りが上手くいかなくなって、息子の英雄が事件を模倣した事が分かりました。その事実がバレそうになったので、樋口を屋上から突き落として、口を封じようとしたのでした。その時に、真紀を見かけたというわけです。

転落事件と変死事件(23年前の事件も)は手塚の仕業と解決しましたが、真紀は父に「23年前の事件を最後まで追求できなかったあなたは、警察官として不適合です」と、教官を辞する事を勧めました。そこには、“もう、無理はしてもらいたくない”という、娘としても情もあったんだと思います。

今話のタイトルにもなった芥川龍之介「手巾(ハンケチ)」の例えが必要ないほどに、父娘の情愛は描かれていたと言えるのではないでしょうか。