『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます~』第3話あらすじ&ネタバレ感想 並行する2案件を難なくこなせ!

大手冷凍食品のコンペの最終選考に残った、ユニバーサル広告社。もう1社残った博王堂との一騎打ちに燃えています。そして、商店街の魚屋からも広告の依頼が舞い込んできて…。

いまひとつ、アイデアが“キレ”ない杉山

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シャッター商店街に移転した、ユニバーサル広告社に大きなチャンスがやって来ました。冷凍食品のコンペの最終2社に残ったというのです。息上がる社員たちを尻目に、社長の石井(三宅裕司)は沈みがちなようす。
なぜかというと、競合に残ったもう1社が、ディレクターの杉山理央(沢村一樹)が在籍していた大手・博王堂だったのです。
それを聞いて、一気にトーンダウンするデザイナー・村崎六郎(要 潤)と事務の猪又エリカ(片瀬那奈)でしたが、杉山は「よーし、やるぞ!」とヤル気がみなぎって来た様子でした。

その頃、喫茶店「ジュルビアン」の娘・藤沢さくら(和久井映見)は、馴染みの魚屋に買い物をしに行くと「広告屋さんが、引越して来たんでしょう?」と、「魚久」を一人で切り盛りする久本節子(高橋ひとみ)に相談を持ちかけられます。
その相談とは、「昔みたいに店を繁盛させるために広告を出したい」というモノでした。その件を広告社に持って行き、とりあえず現場を見てもらおうと杉山と村崎を「魚久」に連れ出したのでした。
そこで実際のクライアントである節子に会い、「任せるから、昔みたいに人がいっぱい来てくれるようにして!」と言われました。「これも、重要なんだけど期日は10月31日まで」。

この日程はコンペとモロかぶりしており、杉山は困り果てます。それでなくても、先に日程が決まっていたコンペのアイデアも“イマイチ”で、煮詰まっていたのです。

社長の石井は「いても邪魔になるだけだから」と、外回りをすると言って社内には寄り付きません。どうやら、毎度の事のようです(笑)。

魚屋「魚久」に存在する母娘の情愛

納期限を前にして、節子が第1稿(最初に出来上がったモノ)を見に来ました。それを見て「これじゃぁ、ウチで扱う魚の良さが全然わからない。みんな、地元で獲れた新鮮な魚なんだから」と、すぐさま却下です。

降り出しに戻った「魚久」広告ですが、コンペの方も「焼きおにぎりに特化した商品広告に変えたい」と急に言ってきました。ふたつの案件が同時に暗礁に乗り上げた感じです。

そうやって頭を悩ませるメンバーの前に久子の娘・加奈(工藤綾乃)が現れて「広告はキャンセルしたい」と申し出てきました。加奈としては、大病を克服して店に復帰したものの、頼れる父(節子の夫)が亡くなって淋しいだろうと、自分の暮らす都内で同居してほしいと願っていたのです。

加奈の気持ちは嬉しいものの、節子は「今月中に立て直しができなかったら、店を閉める」と娘に約束したのです。それが31日を〆切にした理由だったですが、もう節子は閉店の覚悟をしていました。娘に迷惑はかけられないとも思ってもいたのです。

そのキャンセルの件で、「安堵した自分が情けない」と杉山はさくらに打ち明けます。そしてもう1度、広告の件を考え直すのでした。その新しい案に、節子も大賛成しました。
その広告とは「魚久店主 節子の魚料理教室」と題した料理スクールを開く事でした。そうする事によって、ポスターやチラシでは体感できない「味・香り」を表現、広く魚久の存在を知ってもらうのが広告の狙いだったのです。
杉山の狙いは当たり、料理教室は大盛況で節子は魚久を続ける事になりました。

一方、コンペの方は僅差で負けてしまいます。ただし「ママの心を解凍しよう」というコピーは褒められて、一同は誇らしげな顔をしていました。

今話は母娘の気持ちの交錯が脚本の“岡田節”によって、生かされていましたね。安心して見られる、こういうドラマもイイものですね。再認識しました。