『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』最終話 あらすじ&ネタバレ感想 「さくら通り商店街」が映画のロケ地に!交錯する妄想と葛藤!!

コンサルタント契約の第1弾として、リニューアルを完成させた「さくら通り商店街」のホームページ。

さっそく、それを見た映画監督から「ロケ地の候補として考えている」と打診が。でも、どうやらイメージとは違うようで…。

HPの次の1手は「ノープラン」、困り果てた広告社に1本の電話が…

ユニバーサル広告社
新HPを配信して盛り上がる商店会の人たち。たまり場&集会所になっている喫茶「ジュルビアン」では、副会長で店のマスター・藤沢 宏(でんでん)が中心となって昼間から宴会が始まっていました。
それだけ、街の人たちの期待は大きいというわけです。

クリエイティブディレクターの杉山(沢村一樹)も、喜んでもらえる事は嬉しいのですが「次の手」を考えると、気が重いのでした。隣にいる事務兼アシスタントの猪熊エリカ(片瀬那奈)と顔を見合わせて「?」といった困り顔です。“次の展開”が、全く浮かばないのでした。

取り敢えず社に戻って石井社長(三宅裕司)とデザイナーの村崎(要 潤)を加えて、「さくら通り商店街再生広告」の作戦会議を開きます。

まずは猪熊が、「街再生」についてのオーソドックスな二つの方法についての概要を説明しました。

ひとつは、“街自体をリニューアルする”方法。今までとは全く違う場としてPRしていくモノです。しかし、この方法には莫大な予算がかかり、投資も募らなくてはならないので、まず無理です。

もうひとつは、“このまま+ありのままを生かして”人がやって来るような街にする方法。やり方とすれば後者しかありませんが、その方法が難しく「それが簡単にできるのであれば、日本全国からシャッター商店街はなくなっている」と猪熊は言います。

そこで村崎が「テレビドラマか映画の舞台にでもなれば、“ご当地巡り”みたいにして人が集まるんじゃないの」と、何の根拠もなく発言しました。確かに、てっとり早くていい方法でありますが、「一過性で終わってしまう」(猪熊)、「作品にもよる」(杉山)と、相手にされませんでした。

そこで、今まで何か言いたそうにモゾモゾしていた石井社長が、やっと発言を許されました。

「みんながジュルビアンに行っていた時に、“HPを見た”って言う映画監督から、映画に使うかもしれないので街の様子を見てみたいって電話があったよ」

一同「何で、それを先に言わないんですかっ!」
石井「だって、“一過性がどうのこうの”とか、否定的な方向へ…」

とりあえず、次の一手のとっかかりにはなったようでした。

監督のイメージとは違っていた商店街

問い合せてきた監督は、佐伯春彦(長田成哉)といい「地味ながらも良作を作る」と業界関係では売り出し中の存在でした。受賞歴も複数ありました。ただ、まだ下見以前の状態なので、とにかく広告社では「ありのままの街の姿を見てもらおう」と秘密裏に話しを進める事にしました。

ところが、その話しを差し入れを持ってきた「かもめカフェ」の一の瀬 始(入江甚儀)に聞かれてしまったから、もう大変です。商店街中に触れ回り、ウワサはあっという間に広がり「街が有名に」と勝手に妄想しています。

そして、佐伯監督のロケハン(下見)当日には町内放送で一の瀬が煽ったおかげで、ユニバーサル広告社下には大勢の人だかりが。中には横断幕や園児の合唱等、シャッター商店街にしては過剰な出迎えに監督は困惑顔でした。

案の定、杉山との打ち合わせの席で「“死んでしまった商店街がいい”んです。ここは、ハンパに生きている」と言いました。

映画の内容としては、余命宣告された主人公が故郷に帰ってきたものの街は死んでいて、そこで静かな死を迎える、というモノ。「イメージに合わない」と、部屋を出て歩き出してしまいました。

「何もしないよりは、いいだろ!」激高する杉山の想い!!

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杉山はあわてて監督を追って立ち止まらせました。そして、「今日の商店街の真の姿じゃないんです。ホントは余命3年って感じなんです」と、事の次第を説明しました。

「ハンパに生きている」と言われて、怒り気味に帰ろうとする街の人たちには「もし、万が一にも映画を見て一人でも“あの映画の舞台はどこなんだろう?”って来てくれたら、素晴らしい事じゃないですか?」と説得を始めました。「有名じゃない監督だけど、カンヌで賞を獲ったりしたら凄いじゃないですか?」。今度は監督に失礼な物言いもしています。

「とにかく何もしないよりは、いいだろ!一歩、進んでいるんだから!」と珍しく杉山がキレ気味に叫ぶ様を見た宏は「よ~しっ、やったろうじゃねぇか!」と大声で叫び返しました。

翌日、あらためてロケハンしていて監督が「いいですねぇ、死んでますねぇ」と微笑んでいます。商店街は、開けている店もシャッターを閉じ、他でも障子をわざと破いたりして“雰囲気”を出していました。

そして、撮影初日。この日は賑わっていた頃の商店街の回想シーンからスタートです。まるで明日の「さくら通り商店街」を見ている様に活気が感じられ(と言っては、大袈裟でしょうかw)て、Endです。

追記
杉山とさくらの関係は、進展しそうでしていません。「鈍感…」というさくらの言葉が、全てを表していると察してあげましょう。