【かんたん英会話】「Sir」の正しい意味と使い方

アメリカでは、日本ほど上下関係や敬語には厳しくありません。

しかし、丁寧な言い方を求められるときもあるのも事実です。

自分より年上そうで、社会的地位が高そうに見える男性に話しかけなければならない、そんな時役立つのが「sir」(女性にはMa’am)という単語です。


「Sir」の意味

インターネットで調べてみると、この言葉は13世紀から使われていて、イギリスでは今でも準男爵という爵位を持つ男性には使われているそうです。

元ビートルズのポール・マッカートニーにも与えられているといいます。

もちろん現代アメリカでは爵位などなく、いろいろな場面で使われています。

「Sir」の使い方

見知らぬ男性に呼びかける。

“Excuse me, sir.”(すみません。)

“Pardon, sir.”(失礼します。)

「sir」を語尾につけると丁寧な感じが強まります。

アメリカのホテルやレストランなどで、客に対する丁寧な表現

“Good morning, sir.”(おはようございます、お客様。)

“Here you go, sir! “(お客様、こちらでございます。)

“Thank you, sir.”(どうもありがとうございます。)

アメリカ旅行中、ホテルなどでチップを渡す時に「Thank you, sir」と言うと丁寧になります。

軍隊やスポーツ、ビジネスの場で。

“Yes, sir.”(はいわかりました。)

映画を見ていると軍隊で上官に「Yes, sir.」と新兵が答えますが、上官への服従の意味です。

皆さんも「イエッサー」という言葉を聞いたことがあると思いますが、正にこれです。

“Yes sir, master!”(先生、はいわかりました。)

ビジネスでアメリカ人の上司に怒られたり、客から苦情がきたら、

“Yes sir, Mr.Smith.”(はい、わかりました、スミスさん。)

といえば、単に「Yes」と言うよりは、誠意(2度と同じことは繰り返しません)が伝わります。

“No, sir.”(いいえ、違います。

これは上司や客の言っていることが違う時の返答です。

「Ladies and Gentlemen」の使い方

sir
個人ではなく、グループの人たちに話しかける場合は「Ladies and Gentlemen」という言い方があります。

“Ladies and Gentlemen, thank you for attending this important event.”
( 皆様、この重要なイベントに参加いただきありがとうございます。)

今でもたまに聞きますが、お年寄りに対して、あるいは重要なスピーチやイベント用の言葉といってもいいでしょう。

他には、レストランや客商売などでグループの客に使われる言い方としては、「You guys!」があります。

「guy」は敬語でもなく、かなりフレンドリーな表現です。

この言葉をレストランで聞いたときは、「Guyをお客さん相手に使っていいの?」と感じました。

しかし、グループ、家族連れなどには「You guys」とよく使われる表現です。

“Hi, guys. My name is Mark.”(皆さん、マークです。)

“You guys, would you like something to drink?”(皆さん、何かお飲み物はいかがですか?)

英語では「you」で「あなた方」を言い表すと言いますが、年上や偉そうな人たちには「Ladies and Gentlemen」で、若いグループには「you, guys」で大丈夫です。

関連表現

「sir」や「Ladies and Gentlemen」以外にもいろいろな言い方があります。

「Dear Sir and Madam」

今でもたまにビジネスレターで見かけますが、超堅苦しい言い方です。

「boss」

日本語でも「boss」(上司)といいますが、少なくとも「boss」と呼んでいるので見下しているのではなく、なんとなく親しみのある表現です。

“Boss, Enjoy your meal”
(ボス、どうぞ食事楽しんでください。)
 

「Hi, all.」(皆さん)

「all」はよくメールで見かけます。

「Everyone」

“Hello, everyone”(皆さん、今日は!)と軽いスピーチの前に呼びかけます。

「people」

「人々、みんな」です。

“Let’s go, people!”
(みんな、行こう.。)

丁寧さと親しさの境目

sir
日本ほど口の聞き方にうるさくないアメリカですが、やはり見知らぬ人、初対面の人、かなり年上の人には「sir」をつける方が良さそうです。

人によっては「Sir」と呼ばれるのを嫌がるので、親しくなったらファーストネームで呼びましょう。

もちろん、ジョージ・W・ブッシュ元大統領のように「Sir」と呼びかけられたら、「なぜ、Mr. President(大統領)と呼ばないのだ」と「sir」よりも強い尊敬表現をもとめる人もいるのも事実です。

結局は人ぞれぞれ違うので、相手のパーソナリティを考えて呼び方を決めて下さい。

まとめ

「sir」という言葉はいろいろな場面で使われていますが、丁寧な印象を強める言葉です。

「Ladies and Gentlemen 」や「You, guys」などグループに使われる言葉もあります。

ただ、アメリカでは親しさが大事なので、人によっては「sir」と呼ばれるのをやがる人もいます。

「sir」を使うことも多いですが、できるだけ「sir」は使わないような親しい人間関係を築いて下さい。