移転初日に舞い込んできた仕事を、なんとか乗り切った「ユニバーサル広告社」。次の依頼は、地元商店街にある和菓子屋のPRだったのだが、それにも“理由”がありそうな気配が…。
和菓子屋の息子が意を決して依頼に!
遠距離通勤を避けるためにディレクターの杉山利史(沢村一樹)は、喫茶店の娘・藤沢さくら(和久井映見)の口利きで廃業した船具店に住む事になりました。デザイナーの村崎六郎(要 潤)は車中泊を決め込んで、とにかく仕事に集中する体制を整えました(石井社長(三宅裕司)、事務の猪熊エリカ(片瀬那奈)は、通勤)。
あわただしい初日を乗り切った2日目、猪熊が出社してみると黒塗りのクルマが滑り込んできます。降り立ったのは「鶴亀会館」の二代目社長・鶴田(甲本雅裕)です。昨日にもらった広告のA案、B案のいずれかを選びきれずに直接、乗り込んで来たのでした。
するとそこに、何やら“理由アリ”そうに思い詰めた青年がオフィスに入ってきました。「広告を作ってもらいたいんですけど」。
その青年は、きのうの引越しの時から様子を伺っていた「あの青年」です。
事情を聞くと、その嶋田武弘クン(森下大地)は商店街で営業している和菓子屋の息子だそうです。「店を広告して、売り上げを上げたい」と言っていますが話しが曖昧で、どこか煮え切りません。
杉山は勝手を知らない武弘に「何が望みなのか?」という点を確認するのでした。すると、まだ考えがその段階には及んでいないようで、「就活が上手くいかないし、それなら店を継いでみようかなと思った」と、打ち明けました。そのうえ広告を頼みに来たのも内緒で、まだ店を継ぐという事も決まっていない事が分かります。
意を決して広告屋に飛び込んできた割りには、物事を甘く考えていたとしか言い様がないですね。とりあえず、家庭・店の事をよく話し合ってからもう一度来るように勧めました。
さくらの過去が明かされる
オフィスから武弘を帰した後、さくらが喪服で現れて通夜の席に同行するようにと誘いに来ました。「街で生きている人は、ほとんど来るから」と顔つなぎを薦めたのでした。
故人の事は全く知らない四人でしたが、とりあえず酒席に混ざりました。さくらのリードで、一同は皆に紹介されていきました。そこで、アルコールが進んできた頃に「広告なんて、所詮は上げ底だろ!」とさくらの父の宏が毒づきました。この親子が、広告屋に対して恨みめいた言動を前回から発してしたのはお気づきの通りです。
原因は、さくらが東京でOLをしていた5年前にさかのぼります。結婚の約束をする程好きな人ができて、その男が広告業界の男でした。その男が「独立したい」というので、さくらは資金を提供しましたが、そのまま“ドロン”。結婚詐欺だったのでした。おまけに、宏の喫茶店の広告費用もだまし取っていたのでした。これで、広告代理店を嫌う理由が判明したというわけです。
事態は街の活性化へ!
さくらは騙された事は承知で、その男が言った「広告というのは魔法で、カボチャも馬車に換えられる」という言葉を例えに「この商店街に魔法をかけてください」と、杉山にお願いしましたが返事は「お断りします」であいた。
「小さな輝きを、大きな輝きに換えるのが広告です。小さな灯りを、多くの人に見せる事はできます」。
通夜のあった集会所から帰る途中、さくらは杉山に「この街が諦めなかったら、いつか広告を造ってくれますか?」と尋ねました。もちろん、杉山は頷いたのでした。
件の和菓子屋の話しはペンディングのままになっており、今後の展開次第といった所でしょうか。鶴亀会館の鶴田社長は未だA案、B案から絞り込めていない様子です。挙句、「C案を作ってくれませんか?」。一同、ズッコケて第2話は幕です。