前回の“交換殺人”の真相究明寸前に襲われた千川は、命からがら逃げ延びました。潜伏（というか倒れ込んでいた）先は、4年前に亡くなった元恋人の来栖稚奈の工房・ショップ兼住居です。そこで金坂 澪に介抱されて一命を取り留めました。今回は、千川の過去が少しだけ明らかになります！
目次
「血だらけの千川を匿って」知り合った二人
レストラン「ハートビートビーフ」の店長・若林が仕組んだ、ケースワーカー・蔵井の感電死について“黒幕”を聞き出しに向かった脅迫屋のリーダー・千川完二（ディーン・フジオカ）は、逆に不意打ちを喰らい意識が朦朧としてしまいました。
千川を拉致しようとする若林と医師の高ノ森の追撃を、必死の思いで逃れた先は、かつて恋人だった来栖稚奈（松下奈緒）と暮らしたTシャツ工房跡でした。ここには、稚奈の弟だとカミング・アウトしたスナオ（間宮祥太郎）の言葉にピンときた金坂 澪（武井 咲）が駆けつけて来て手当をしていました。千川は、まるで4年前の冬に稚奈の工房前に血だらけになって蹲っていた時の様に横たわっていました。
その日の千川は、脅迫中に逆襲にあいケガを負っていました。ラジオからは横浜市内で強盗事件が起こり、犯人は未だ逃亡中だと“臨時ニュース”が流れていました。てっきり稚奈は千川を、その犯人だと勘違いしながらも介抱したのです。「大怪我をしている人を、放り出せない」と言っていました。
そのうちに千川は快方に向かい、強盗犯も捕まって二人のわだかまりも徐々になくなっていきました。「オレは強盗なんかしない、脅迫屋だ！」と、普通に言った千川の言葉には笑いましたが。
そうして、季節は冬から春へ、そして初夏を迎えた時の事でした。稚奈に不幸が降りかかってきたのは…。
舞台を現在に戻すと、澪が千川の手当てをしている頃、スナオは脅迫屋のアジトで目黒（三宅弘城）と栃乙女（島崎遥香）に、自分の正体と姉と千川の関係について話しました。千川の復讐（その行動に出ると思い込んでいる）の手助けをするためにチームに近付いた事も打ち明けたのです。
稚奈の死に不審な点を見る！
新デザインのTシャツができた日に稚奈は、「千川完二、お前を脅迫する。このTシャツを来て次の日曜日に街を歩け」と千川を脅迫しました（笑）。
「何でだよ？」と千川が聞くと、「私の誕生日だから。そうしないと…私が悲しむ」と笑っていました。
その誕生日デートの前日に、千川は「クライアントに呼び出された」と言って神戸に向かいました。そして、トンボ帰りして、待ち合わせ場所に行ってみると稚奈はまだ来ていません。それどころか、待ち合わせ時間を過ぎても稚奈は現れませんでした。
その代わりに、稚奈からの着信で1本の電話が入りました。神奈川県警からで、稚奈がスズメバチに刺されて死んでいると言うモノでした。警察が言うには被害者にはオルゴールの届け物があり、その箱から柑橘系の香りが発せられていて、「その匂いにスズメバチが誘発されて刺した」との事。合わせて、監察医は被害者は以前にもスズメバチに刺された事があり、２度めになると死に至るほど“効き”が強くなるのだそうです。
この稚奈の死には、疑問が幾つも湧いてくる事を千川は感じていたのでした。
３件の事故死に関与が予想される「雨垂れの会」の存在
稚奈は死ぬ少し前に、工房の立ち退きを地上げ屋から迫られていました。それを、幼き日に世話になった施設「雨垂れの会」の代表・富永絢子（真野響子）に相談しています。その地上げ屋は、間もなく看板落下の事故で死亡しました。
そのタイミングのよさを不審に思った稚奈は、すぐさま富永を訪ねています。その時にどんな会話が交わされたのかは、今話では明らかになっていませんが「知りたくなかった」という言葉を残しています。「明日（誕生日デートの時に）、話すね」とも。その時の稚奈の表情は曇っていました…。
千川は“誰かの裏の顔を知ったのだろう”と推察しました。
それと、稚奈が以前にもスズメバチに刺された事を知っている人物が「鍵」となってきます。こうなると「雨垂れの会」、ひいては富永が怪しいのは明白です。さきに感電死した蔵井の件では、生活保護を打ち切られて苦しんでいた北条あかねも、同会のボランティア・スタッフをしています。関連性が、無いとは言えない状況ですね。
稚奈がスズメバチに刺された日に、千川を神戸に離したのも「雨垂れの会」のようです。クライアントは現れずに、千川は無駄足を踏んでいるわけですから。
これで、分かっているだけでも地上げ屋、稚奈、ケースワーカー・蔵井と三人の死に「雨垂れの会」は関与していると予想されます。千川は、傷が完治していないのも顧みずに街へと飛び出して行きました。
富永は高ノ森から千川拉致に失敗した報告を受けると、全会員に千川の写真を送りつけて、居所を探るように命を下しました。
脅迫屋チームも不破組組長の不破鉄男（小沢仁志）からの情報を元に、千川を助けるべく防犯カメラをハッキングします。その際に、千川を襲った男（＝高ノ森）の乗ってきたクルマの名義が「雨垂れの会」所有のモノと突き止めました。
ここで、「雨垂れの会」と脅迫屋チームの千川探索戦が始まりました。
最終決戦に臨む千川！
千川の手には、助けた礼にと轟 雄之助(近藤正臣）に頼んでおいた“ブツ”が握られていました。これを、千川に渡すように託された澪が「千川さん、今から脅迫します。行かないでください。さもないと…私が淋しくなるから」と、脅迫というよりも懇願しました。
「下手くそな脅迫だな」
千川は、澪を残して行ってしまいました。
次回、最終話ではどんな決着が待っているのでしょうか？「雨垂れの会」の全貌や狙いが見えてきていないだけに、全く予想がつきません。ワクワクしながら、成り行きを見守るしかなさそうです。
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