「微妙」という言葉は、物事を曖昧にしておきたい日本文化ならではの言葉かと思いきや、英語にも「微妙」という言い方が存在するのです。英語はYes、Noをハッキリさせたい文化と思われがちですが、いつもそうきっぱり割り切れないのが人間というもの。
「微妙」は、日本語では様々な意味で使われます。細かいこと、微細なことを指すこともあれば、イマイチという意味でも使われます。また、はっきりと確信が持てないことを指すときにも「微妙」という言い回しが登場します。今回は、「微妙」という言葉の微妙なニュアンスを含む言い回しをご紹介します。
目次
【スラング英語の教科書】状況に応じた「微妙」を意味するフレーズ
辞書的な「微妙」
「微妙」を和英辞書で引くと、delicacy、subtletyなどと出てきます。形容詞はそれぞれdelicate、subtleになります。また、形式ばった表現としてnicety(形容詞はnice)という言い方もあります。これらはすべて「細かいこと、複雑なこと、微細なこと」を指します。delicacyは触れてよいものか迷う話題などに使われ、subtleはより物質的なことや物(色の違い、手触りの違い、厚さの違いなど)に使われます。
例:It is very difficult to tell the subtle nuance.
訳:微妙なニュアンスを伝えるのは難しい。
「良くも悪くも」という意味での「微妙」
日本語の「微妙」は前述のような意味の他にも、「良くも悪くも(ない)」という意味で使われることがあります。「良くも悪くも」を英語では “more or less” または “so-so” といいます。また、somewhat(まあまあ、そこそこ)approximately(だいたい、おおよそ)という表現もありますので、合わせて覚えておきましょう。
例:”How was your exam today?”
“So-so. I hope I won’t get an ‘F’.”
訳:「今日の試験どうだった?」
「うーん、微妙かな。F(落第点)を取らなければいいけど」
「いまいち」という意味での「微妙」
日本語では、「微妙」を「イマイチ」というニュアンスで使う場合もあります。漢字で書くよりカタカナで「ビミョー」と書いた方がそれっぽいかもしれません。その意味での「微妙」は、英語ではawkwardやnot so good、whateverなどと言い表されます。
例:”Look at that guy! He look so hot.”
”Who, that guy in a black shirt? Doesn’t look so good.”
訳:「あの男の子を見てよ!かっこいいよね」
「彼が?微妙に見えるけど」
「良く分からない・疑わしい」という意味での「微妙」
「それは微妙な問題だ」などのように、良く分からないことや正しいかどうか確信が持てない場合にも「微妙」が使われることがあります。これはかなり日本語独特の表現ですので、英語では「疑わしい、確証が持てない」という意味の単語が使われます。代表的なものはunsure、unclear、iffyなどです。
例:”Do you think he will be promoted next month?”
”Well, it’s iffy. He doesn’t seem to have improved at all.”
訳:「彼は来月昇進するかな?」
「うーん、微妙なところだな。成長ぶりがみえないからねえ」
引用・出典
■Weblio
■Urban Dictionary
まとめ
【スラング英語の教科書】状況に応じた「微妙」を意味するフレーズ
・辞書的な「微妙」
・「良くも悪くも」という意味での「微妙」
・「イマイチ」という意味での「微妙」
・「良く分からない・疑わしい」という意味での「微妙」
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