右京を訪ねて、英国研修中の“相棒”だったという南井 十(伊武雅刀)が「花の里」に来ていました。スコットランド・ヤード(ロンドン警視庁)を退職後に日本旅行をしているとの事です。プロファイリング能力に長けた客人の目的は、単なる観光か?それとも…
連続殺人なのか!?現場で謎の未登録ケータイが見つかる!
公園内の池の傍に、男性の死体がありました。所轄署、警視庁捜査1課、鑑識が同時に調べた所、頭蓋骨が陥没しており殺人事件として捜査する事になりました。被害者は派遣で警備員等をしていた西田泰史(康 喜弼)でした。
現場の岸近くの池からは契約者名のないケータイが発見されて、その中には“もみ合っている様子”と見られる動画が入っていました。そこに一瞬だけ映った男を容疑者として、捜査本部では追う事としました。
一方、特命係の片山右京(水谷 豊)と冠城 亘(反町隆史)にはサイバーセキュリティ対策本部の青木(浅利陽介)から、捜査本部とは別方向の情報がもたらされます。
それは、名義不明の件のケータイには、動画の他にも「ダークウェブ」という非合法な情報満載のサイトにアクセスした形跡があるというモノでした。そこには2枚の腕時計の画像があり、ダークウェブ内で辿っていくと「その持ち主の殺人現場」の動画にたどり着いたのです。
動画から居場所を割り出した右京と冠城は、現場に急ぎました。
二転、三転する被疑者に確実に近づく右京
右京が特定した現場は、大田区内にある廃工場でした。そこには、画像にあった腕時計と、まだ映ってはいなかったロッカー1台と腕時計もありました。腕時計が増えたという事から、右京は被害者がさらに増えたと考えます。
ロッカーには6年前に死んだと推定されるホームレスと、3年前に行方不明になった家出少女の二つの遺体が入っていました。死因は2体とも頭蓋骨陥没によるものでした。この手口からも、同一人物による犯行と判断したのでした。
捜査本部は、新たに発見された腕時計から犯人を、ダークウェブで薬物や拳銃を密売していた平岡と断定します。その平岡の部屋を特命係の二人が訪れると、そこには平岡の死体が!
この時点では、被害者だったはずの西田が被疑者で、平岡は被害者と立場が入れ替わりました。
しかし、この背景には未だ“闇”が潜んでいるのでした。
ちらつく黒幕の存在!
こうして捜査している間も、右京と南井は「花の里」で事件について意見を交換しています。大胆な行動のできる人物という大方の見方に対して南井は「ホームレスや家出少女を選ぶのは、いなくなっても分かりにくいから。慎重で、普段は普通の顔をしている」と推理しました。
平岡殺しに関しては、薬物・拳銃販売に絡んだ殺人と見るのが妥当で、右京は、その“入手・仕入れ”先の特定を急いだのでした。
そうして浮かんだのが所轄署の土村刑事で、押収品を横流ししていたのです。右京は「だいたい、池の中からケータイを見つける事自体に違和感を覚えていました」と語りました。土村は、平岡宅に押込んだ証拠の防犯カメラの記録を違う日のモノとスリ替えて、逆に墓穴を掘ってしまうのでした。
捜査の一環でダークウェブを調べていた所に、そこで平岡と知り合って「最初は5gから」と軽い気持ちで捌いたそうです。その後、しつこく付きまとわれていた時にダークウェブで「今までの儲けを差し出せば、平岡の始末の方法と必要なツールを提供する」と、持ちかけられての犯行だったそうです。
この申し出は、殺された西田の息子・真人からでした。彼は自分の母親が死亡した時にも悲しまずにいた自分を「おかしい」と思い、飼い猫、ホームレス、家出少女と殺していき「自分が正常なのかを試した」と言っていました。
土村に計画を売ったのは「この先、殺人計画を売って生きて行こうと思った」ためだそうです。真人はダークウェブで「はじめて自分を認めてくれた人と出会えた」と語っていました。合わせて、自分に残された“人間らしい部分”を消すために、連続殺人犯の仕業にして父を殺した、とも。
これで、西田殺しの実行犯は土村、黒幕は真人(6年前と3年前の殺人も)で事件は解決。しかし、この真人は護送先の所轄署で服毒自殺をしてしまいました。これで、ダークウェブとの関係性は謎となったままです。
真人の後ろには、まだ大きな闇を操る“黒幕”が控えているようでした。
事件後、見送りに来た右京と南井が空港のレストランで対峙していました。右京は「あの時と同じですね。3年前、逮捕寸前に青酸物で自殺した犯人と」と言い、握手を拒否したのでした。
それにしても事件のタイミングで日本を入出国した、南井の存在が気にかかります。右京との遺恨になっていきそうな予感がして、楽しみです。