古い新聞記事をヒントに「商店街マップ」制作の依頼がユニバーサル広告社へ。そのプレゼンテーションに参加したラーメン屋の店主が、マップとは別に店の広告を頼みに来ました。「繁盛したい」と言いますが、真意は他にもあるようで……。
さくらの提案で「商店街マップ」を作る事に!
ある日の昼休み。ユニバーサル広告社のクリエイティブディレクター・杉山利史(沢村一樹)は、喫茶店「ジュルビアン」でいつものようにエビピラフを注文しました。
そこでは看板娘(?)のさくら(和久井映見)が、「棚を整理していて見つけた」と言って古い新聞記事を常連達に見せています。内容は、“商店街がオリジナルのマップで町おこし”という小さなコラム記事でした。
「それを見た人達が面白がって、客が10倍になったんだって!」と、嬉しそうに話しています。「ウチの商店街も、そういうのを作ろうよ」と盛り上がっています。しかし、店内にいたネット雑貨屋の城田(やついいちろう)と「カフェかもめ」の一の瀬 始(入江甚儀)は「ムリムリ」と消極的です。
それでも、さくらの熱意で何とか“商店街のマップ”を作る事となり、プレゼンテーションが制作元のユニバーサル広告社で行われる運びとなったのでした。
その場で杉山は、街をPRする基本的なポイントを話し、その上で各店の“ちょっとした「こだわり」”を添えて、商店街全体を広告していくという旨を伝えました。こうして、プレゼンというよりも勉強会色の強い集まりを終えたのでした。
マップとは別に、ラーメン屋「正華楼」からも広告依頼が…
その後、商店街にあるラーメン屋「正華楼」の二代目店主・三浦大作(高杉 亘)が広告を依頼しに来ました。三浦の希望は、とにかく「店を繁盛させたい」との事。店を営む身としては、至極まっとうな要望ですが、思い詰めた三浦の表情には「訳アリ」感が溢れています。
この件に関しては事務兼アシスタントの猪熊エリカ(片瀬那奈)が、やたらと積極的です。正華楼の場合には“チラシを作って配る”基本的なモノから“新メニューの開発から、内外装を含めてのリニューアルオープンまで”様々なヤリ方があると自分から説明をする程です。
クライアントの三浦は「予算は、まぁまぁあるので、とにかく繁盛させてほしい」と、こちらの積極的な姿勢も充分に伝わってきました。
担当になった猪熊は、三浦と一緒にスープの見直しから内装案まで獅子奮迅の活躍を見せました。猪熊がここまでするのは、実は昔、ラーメン屋の男に入れ込んだ事があるからだそうです……。
一方、三浦が急に「繁盛を」と言い出したのは、商店街でスナックを経営する顔なじみの「千絵にプロポーズをするため」と分かりました。彼女はシングルマザーで子供もいるために、「稼がないと」と切望していたのです。
正華楼の件は白紙に、しかし“マップ”は未だ生きている!
やる気満々の三浦でしたが、スープの味と内装案も決まり“いよいよ!”という時にリニューアルは頓挫してしまいました。銀行が融資を見送ったのでした。三浦は資金面の詰めが甘かったのです。
そうなった以上は「千絵へのプロポーズも諦める」と、意気消沈の三浦でしたが猪熊に「プロポーズと店とは別!しっかりしなさい!」と激を飛ばされて、何とか持ちこたえるのでした。杉山は、その三浦のラーメンのような「平凡でつまらない、でも正直な所」こそマップのコンセプトと閃きました。
広告の話しは流れましたが、商店街の一員としての参画自体も消えたわけではありません。正華楼のコピーを「取り柄のない男の作る、平凡すぎるラーメン『50年変わることのない正直な味』」と付けました。
他の店もデザイナー・村崎六郎(要 潤)が撮影と取材を担当して心暖まる一枚モノの「『つまらない店。』さくら通り商店街マップ」(正式名称)が出来上がりました。反響もまずまずで、参加した店はそれぞれ満足している様子なのが印象的でした。
ところで、白のスーツでバッチリ決めた三浦がプロポーズしようとしている所に、千絵が婚約者を連れてラーメンを食べに来ました。ここでも、三浦は下準備が充分ではなかったようです。やれやれ……。
ここへ来て、ユニバーサル広告社が地元へ溶け込んでいく姿が色濃く描かれるようになりました。今後の展開が、ますます楽しみになってきましたね。