一昔前、ある音楽グループがScrewというタイトルのアルバムを発表しました。
女性司会者がそのタイトルにはどういう意味があるのかと尋ねたところ、メンバーは「放送禁止に近い意味で・・・。」みたいなことを言って言葉を濁し、手で捻る動作をしました。
そんなエピソードを知っていると、そのアルバムに対する理解も違ってくるのではないでしょうか。
ありふれた言葉も、群衆の中で揉まれるといろんな意味を持つようになったようです。
screwの正しい意味と使い方
ネジ
やっぱりネジ。
ねじ回しなるスクリュードライバーで、くるくる回して物を締め付け、固定する、DIYで使う小さいアレのことです。
「コルク抜き = Corkscrew」も短くScrewと呼ばれることがあります。
また名詞としてだけでなく、締め付ける動作もScrewを動詞として使います。
例:This DIY kit comes with screws. Try not to lose them.
訳:このDIYセットはネジが付いてきます。失くさないようにしてください。
例:You just need to screw the top on the bottle to make it airtight.
訳:瓶のふたを捩るだけで密閉できます。
ちょっと遠回しな言い方で、おかしいことを「ネジが外れた(緩んだ)」なんて言いますよね。
英語でも同じで「A loose screw」(緩んだネジ)を使いおかしい様子を表します。
例:I don’t want you to get near him. I am afraid he has a loose screw.
訳:彼には近よらないで。あの人はちょっとイカレちゃってるの
ちなみに、カクテルのスクリュードライバーは、油田の作業員たちが手元にあったドライバーで混ぜて作ったことから、そう呼ばれるようになったとか。
搾り取る
ねじってぎゅっと絞るイメージから、搾り出すという意味もあります。
例:In desperation, I tried to screw sweat out of my own T-shirt for anything to quench my thirst.
訳:途方に暮れ、どんなものででも喉の渇きを和らげようと、自分のTシャツから汗を絞りだそうとした。
例:He is just screwing money out of you.
訳:彼はただ、君から金を搾り取ってるんだよ。
無理に搾り取られるイメージであることから、受け身になると「騙される」「騙しとられる」なんて意味にもなります。
例:I was screwed out of my small fortune.
訳:大金を騙しとられた。
例:Do you think I am being screwed?
訳:私って騙されてると思う?
絞る
シンプルに、紙をクチャっとする動作にも使えます。
紙や布を絞って皴を付けるイメージの発展形ですね。
コンビニで買い物した後、無造作にレシートを丸めてポイする時のあの動作です。
例:Why bother giving a receipt to a customer? He will screw it and toss it in a bin anyway.
訳:なんでわざわざレシート渡す?どうせ丸められて、ゴミ箱行きなのに。
また、顔を絞る(くしゃくしゃとする)ときにも使えます。
例:Gary screwed his face in agony.
例:ギャリーは苦しさに顔をしかめた。
台無しにする
騙されたり、しわくちゃにしたりする言葉のイメージからでしょうか、壁にネジで留められたイメージからでしょうか。
Screwにはscrew upで「台無しにする」、「失敗する」という意味もあります。
例:She totally screwed up my plan by telling the truth to our boss.
訳:彼女が上司に本当のこと言ったから、俺のプランは台無しだよ。
例:What should I do? I just can’t see my fiancé like this. I screwed it up.
訳:どうしよう、こんなんじゃ婚約者に会えないよ。大失敗だ。
無視する
騙したかと思えば失敗して、その他にも、なんと、「無視する」という意味もあるんです。
「Screw + 目的語」で表すことが出来ます。
例:Screw him. You will be pretty busy with me this weekend.
訳:奴なんて無視しちゃえよ。今週末は俺と忙しくなるんだから。
気を付けたい使い方
俗語の中でも、とっても無礼な使い方です。基本的には使わないほうがいいでしょう。
一つ目が、「コンチキショー」的なアレです。いわゆる「Fワード」よりはマシですが、結局は同じ意味で代用されます。
ズバリ、「Screw you!」って感じで使います。そして、感の良い人は、もう一つの意味にもピンときたかもしれませんね。
「Screw + 人」で「性交する」という意味でも使う時があります。
話を健全に戻すと、スクリュードライバーという技がプロレス漫画の中に出てきます。
詳しくないので詳細は書きませんが、体をネジのように捻ってアタックする技のようですね。
Screwにはその元の意味に習ってか、ねじれた意味がたくさんあります。
正しく使い、「I screwed it up!(とちった!)」ではなく「I nailed it!(決まった!)」と言いたいですね。
Screwのまとめ
1. Screw = ネジ。A loose screw = おかしくなる。
2. Screw out of = 搾り取る。
3. Screw = くちゃくちゃにする。
4. Screw up = 台無しにする。
5. Screw + 目的語 = 無視する。
6. 「コンチキショー」と「性交する」。