『相棒16』300回記念スペシャル(前編)あらすじ&ネタバレ感想 白骨死体に渦巻くさまざまな思惑が絡む!

横領罪で服役していた、元法務大臣の瀬戸内米蔵(津川雅彦)が仮出所しました。生家のお寺「徹正院」に落ち着くことになりましたが、そこの院内墓地から白骨死体が!死因・身元不明の白骨からは事件の匂いが…。瀬戸内との因縁から特命係も真相究明に乗り出しました。

片山雛子が瀬戸内に出家の申し出を

相棒16
警視庁特命係・杉下右京(水谷 豊)の相棒が亀山 薫(寺脇康文)時代に横領罪の罪に問われた元法務大臣の瀬戸内米蔵が、千葉刑務所から仮出所しました。

そこには身元引受人でもある瀬戸内の仏門での兄弟弟子・蓮妙(高橋恵子)が迎えに来ていました。その出所の一部始終と瀬戸内・蓮妙のツーショット写真を抑えたのが、「週刊フォトス」の風間(芦名 星)でした。

瀬戸内は余生を生まれ育った「徹正院」で過ごすために、寺へ戻りました。しかし、服役中は誰も面倒を見ていなかったために雑草が生い茂り荒れ放題になっていました。
瀬戸内は本堂から庭から、とりあえず片付けることから始めていました。するとそこに、檀家総代の息子・常盤臣吾(矢野聖人)が現れて手伝いをするようになりました。各国を放浪後に「現在はフリーターやってます」との事です。

そこに議員辞職してから2年間、表舞台から姿を消していた片山雛子(木村佳乃)が訪ねてきました。雛子の亡父(元議員)と瀬戸内は国会時代からの盟友だったのです。その関係が縁での付き合いでした。

その雛子が「出家をしたい」と申し出ています。野心家であるはずの雛子がなぜ?
瀬戸内は快く得度(出家の儀式)を引き受けました。

院内墓地から白骨死体が!

後日、瀬戸内と臣吾が墓地内を掃除していると「あの辺だけ草の生え方が違う」と臣吾が言い出しました。確かにその部分だけ雑草が他の場所よりもよく生えており、花も咲いています。
それはその部分の土に養分が行き渡っていることを表しているのでした。そこを臣吾がスコップで掘ってみると、白骨化した死体が出てきました。

その事態に瀬戸内はすぐに旧知の右京に連絡、そこから捜査1課へも連絡が行き本格的に捜査が始まりました。しかし、身元を特定するものは何も出てこず“性別は男、年齢は20代~30代”という事しか分かりませんでした。

第一発見者の臣吾がなぜ、死体が埋められていると分かったかというと「ヨーロッパを放浪中に傭兵部隊に参加していた時に教わった」と言っています。「百発百中で当てていた」とも言っていました。

美彌子に来たヤロポロクからのメッセージ

相棒16
その頃、警視庁広報課長・社 美彌子(仲間由紀恵)宛に「ロシア語講座」の封筒が届きます。中身はロシア語講座の案内でしたが、それに混ざって便箋1枚に手書きのメッセージが…。

そこには「発見されたのは公安調査庁の坊谷一樹の白骨死体だ。坊谷一樹はキミの身辺を嗅ぎ回っていたからこうなった」とロシア語で書かれており、「いつでもキミのそばにいる」と結ばれていました。書いたのは「自称」ヤロポロク・アレンスキーで、社と関係のあったロシア人の元スパイでした。現在は、アメリカに亡命しているはずの人物です。

このメッセージが送られてきたのは二度めで、前回は社の胸にしまったものの今回は大河内主席監察官(神保悟志)に事情を説明しました。この封書は2通とも日本国内で投函されていて、アメリカにいるはずのヤロポロクから直接送られてくるはずはありません。
偽物からか、アメリカからの手紙を日本で中継している協力者がいるか、そのどちらかです。社は、その事態の重さから大河内に話したのです。

白骨死体についてはヤロポロク名のメッセージの指摘通りにDNA鑑定の結果、公安調査庁の坊谷一樹(蔵原 健)のものと判明しました。この坊谷は法務省の日下部事務次官(榎木孝明)の命令によって社を監視していた人物です。
社は公安調査庁不要論者だった事から、監視の対象だったと考えられました。

白骨死体の身元が分かってから右京と冠城は日下部と対峙して、身元の判明を告げるとともに「もっと早く特異行方不明者として申請していれば、結果は違っていた」と責めました。この時ばかりは日下部も、何の反論もできませんでした。

しかし、坊谷が死に至るまでの足取りや原因は不明のままです。

そして右京は雛子と都内で会っていました。寺で雛子と話した時に、彼女は臣吾を指して「どこかで見たような気がする」と言っていたからです。雛子は「東欧在留邦人身元不明者リスト」で臣吾の顔写真を見た事を思い出しました。

本人に確認すると「トルジスタンで傭兵をしていた事がバレて、ロシアで取り調べを受けた」と言って肯定したのでした。

臣吾も事件に関与か?

相棒16
ここで振り返ってみても、臣吾には怪しい点が多くあります。瀬戸内の出所を、待っていたかのようなタイミングで寺に現れた事。死体を掘り出した事。傭兵経験…etc。右京の脳内でも、かなりの重要度を持っていると見て取れます。
なおかつ、度々登場する「トルジスタン」との関わりもキナ臭さを感じてしまいます。

そして“ヤロポロク”名義(本物かも?)の手紙の件です。国内に協力者は存在するのか?坊谷を粛清したのか?などなど、謎だらけです。

そうなると公安調査庁の動きも気になってきます。身内を殺されて、黙ってはいないでしょうから。

このような疑問に加えて、雛子の出家というのも気にかかってきます。瀬戸内の出所日や自分の出家を「週刊フォトス」の風間にリークしただけではなく、その模様を独占取材させようとしている目的は?
政界復帰への“企みがあっての事”と予想はできますが、その意図がはっきりしないだけに不気味です。

こうした多くの謎を残して今話の前編は終わりました。後編では、どんな謎解きと結末が待っているのでしょうか。楽しみに待ちたいと思います。

なお、今話では回想シーンで小野田公顯(岸部一徳)と亀山の姿を見る事ができましたね。ファンにとっては、涙モノの回だったのではないでしょうか。
(後編へつづく)