『相棒16』第12話 あらすじ&ネタバレ感想 衣笠副総監襲われる!カルト教団の報復か“4年前の事件”との関連か!!

警視庁副総監・衣笠(大杉 蓮)がプライベートの会食の帰りに襲撃されました。衣笠はキャリアを邁進する過程で様々な事件に関与していて、その中でも壊滅に近い打撃を与えたカルト教団が捜査線上に浮上しました。ただ、それだけではないような…。

青木との会食後に衣笠副総監が襲撃される!

相棒16
衣笠副総監はサイバーセキュリティ対策本部の青木(浅利陽介)と会食していました。青木の父は元警察官で衣笠とはただならぬ仲のために、中途採用ながら希望・得意分野の部署についているのでした。ちなみに特命係の冠城 亘(反町隆史)とは、警察学校時代の同期です。

その会食の裏テーマは「特命係を失脚させるに値する事件」の数々についてです。衣笠曰く「今日はプライベートの食事会だから」とは言っていましたが…。

その食事が終わり、二人が送りのクルマに乗り込もうとした所を仮面をつけて顔を隠したスケートボーダー二人組に襲われました。間一髪、襲撃犯のナイフをかわしたものの犯人の本気度が分かる攻撃でした。

警視庁No.2の実力者への襲撃に、庁内に捜査本部を設けて犯人検挙に全力を上げる布陣が敷かれたのは当然の動きです。加えて、今回の襲撃は衣笠が神奈川県警本部長時代に壊滅に近いダメージを与えたカルト教団「ウエボ神義教団」(以下、ウエボ)の仕業と断定。
その関係から神奈川県警からの応援の人員が配されました。

青木にも嫌疑がかけられて…

ウエボに容疑がかけらていましたが、衣笠副総監の行動が筒抜けだった事で青木にも“何らかの関連性”がると見られてサイバー捜査からは外されていました。

その嫌疑に困惑した(振りを)した青木は、事の次第を特命係に持ち込みます。しかし自分の身は完全に潔白なために処分を恐れての行動ではなく、こうやって特命係を事件に巻き込むのが狙いだったのです。

それは「シーズン14 警官嫌い」から現在までに至る“特命係憎し”の感情からでした。更に衣笠も「シーズン15 アンタッチャブル」から特命係を敵視(その大前提には、天敵・甲斐峯秋との遺恨から)しているので、副総監の逆鱗に触れる越権行為を見込んでの事だったのです。

事件自体とウエボとの結びつきを発見したのは青木の同僚の谷崎で、青木に言わせると「まぁまぁ仕事のできるヤツ」。この谷崎がウエボの裏サイトを見つけて犯行声明や復活宣言とも取れるメッセージを見つけたのでした。

衣笠の娘・里奈との再会

相棒16
特命係の杉下右京(水谷 豊)と冠城はウエボの方は捜査本部に任せて、4年前の衣笠の自宅書斎に置かれた脅迫状について調べる事にしました。それには衣笠家の当事者に話しを聞くのが一番早いと、衣笠宅を訪れて一人娘の里奈(桜田ひより)に尋ねる事にしたのでした。

警備の係を里奈の機転でかわした特命係の二人は自宅に上がり込んで、当時の状況を聞いてみました。里奈は特命の二人を信頼して「友達」と呼ぶ程なので今回は協力的です。

その手紙には「大切な者を失う痛みを知れ」と書いてあり、その内容から脅迫状と捉えられたのでした。しかし、不思議な事にその後は何も起こらず、書斎までどうやって脅迫状を届けられたのかは謎のままです。

その時、衣笠副総監が現れて「キミ達がいたのでは指揮系統に乱れが生じるから、すぐに帰れ。そして、ここに近づくな」と言いました。こんな昼間に衣笠は帰宅したわけではなく、今回の合同チームに加わった神奈川県警川崎北署の田川刑事(久保田磨希)を自宅に連れてきたのが目的でした。

4年前の脅迫状の一件と今回の襲撃は別モノだった

相棒16
合同捜査本部の一員として衣笠が田川を紹介した時から、避けるような態度を取り始めた人物がいました。それが2年前から家政婦として衣笠家を担当している沖田晃子(長野里美)です。
家政婦紹介所で調べてみると彼女の身元保証人は衣笠の妻・祥子(筒井真理子)で、ますます謎は深まるばかりでした。

その疑問の完全な解明まではいきませんでしたが、右京らは田川から話しを聞く事で相関性が朧げながら見えてきました。それは田川が川崎北署で担当した事件での事でした。晃子の娘・真穂さんが会社の上司から性的暴行を受けて、晃子の説得にも応じずに勇気を持って相手を告訴する寸前に「捜査中止令」が出たというのです。

犯人は社長であり地元の名士の息子であったための圧力だったと思われます。その命令を下したのが田川の想像ですが「当時の神奈川県警本部長の衣笠さん」でした。

その暴行事件が明るみに出ると、被害者でありながら真穂さんは誹謗中傷を受けて苦しみ、その果てに焼死(焼身自殺と推測)したのでした。
なぜ捜査が中止されたのかを、母の晃子に問いただされて「衣笠の圧力」とつい口を滑らしたのが田川だったのです。

そうして娘を死に追いやった元凶の衣笠宅を、晃子はただ単に覗きに行った時に祥子と顔を合わせて「娘は衣笠に殺された」と訴えたのでした。詳しい話しを聞いた祥子は、心から晃子に詫びました。

ここからは、療養施設から帰ってきた祥子の証言です。その件があってから祥子は自分も真穂ちゃんと同じ被害にあっていると打ち明け、次第に二人の仲は親密になっていったんだそうです。そのうえ、脅迫状を書斎に置いたのも自分だったと右京と冠城に打ち明けました。

そして自分が精神を病んで療養施設に入る事になった時に「安心して。里奈ちゃんは私が守るから」と衣笠家の家政婦になる事を志願して、保証人には祥子がなったというわけです。

これで4年前の脅迫状の事件と今回の襲撃には関係がないと分かりました。

ウエボにはサポートした人物が!

相棒16
晃子の正体と本心を探っている行為が里奈には、「襲撃犯と疑っている」と写ったのでしょう。危機を知らせるために里奈は自宅を抜け出しました。その動きを防犯カメラのハッキングで知って仲間に通報、里奈は二人組に襲われました。

その襲撃に対してギリギリで現場に駆けつけて助けたのが、右京と冠城です。襲撃犯の正体はウエボの信者でした。

では衣笠の会食の予定や、里奈の動きを探っていたのが誰かというのが重要な鍵になります。それを探り出したのは青木で、自分が着信した衣笠からの食事の誘いをハッキングできた状況から同僚の谷崎をマークした結果、衣笠家の防犯カメラにも侵入していた事を突き止めたのでした。

元々は任務でウエボのweb上での動きを見張っていた所、自分も洗脳されてしまったのでした。もちろん、谷崎は逮捕されました。

後日、衣笠に呼び出された右京は4年前の捜査中止に関して「上の指示を伝えただけだ」と言い放ち、重ねて「これで私に“貸し”ができたなんて、思わないように」とも言いました。

これで4年前の脅迫事件は除かれましたが、「ダークウェブ」の件と並んで「シーズン16」だけでも「ウエボ神義教団」が大きな「悪」として挙がってきました。これまでの解決されていない謎も点在しています。
最終回に向けてそれらに、どう決着をつけていくのかが楽しみになってきましたね。冠城の去就と合わせて、まだまだ波乱・山場は幾つかありそうです。