『相棒16』第4話 あらすじ&ネタバレ感想 「ケンちゃん」を巡る二つの嫉妬が殺人を招いた!

ひたむきに働く姿と笑顔で、街の人気者のコンビニ店員の「ケンちゃん」が死体で発見されました。容疑者はすぐに割れたものの、釈然としない冠城。どうやら、事件には裏がありそうで特命係が動き出しました!

発見されたダイイングメッセージ

相棒16
特命係の冠城 亘(反町隆史)が、いつも寄るコンビニで弁当をプリカで買いました。支払いの途中に電話が入ったために、このカードを店に忘れてしまうと「お客さ~ん」と店員のケンちゃんこと森山健次郎(西井幸人)が走って追いかけて届けに来ました。
「カードがキラキラと光ってた」から、すぐに気づいたそうです。

そのケンちゃんが、廃ボーリング場で死体で見つかりました。頭部に衝撃を受けた形跡から、殺人と断定されます。
その死に納得のいかない冠城は、上司の杉下右京(水谷 豊)を担ぎ上げて事件の真相を探る事に。ただ、担当する捜査一課の伊丹(川原和久)・芹沢(山中崇史)によれば、「2年前に窃盗で逃げている最中の宍戸と衝突。その際の森山の目撃証言で有罪になった、宍戸(菅原卓磨)の逆恨みによる犯行で決まり」との事でした。
しかし、その死体の手に「Φ」なる文字とも図形とも取れる記号が!勤めていたコンビニの店長の話しによるとケンちゃんは、手にメモ書きする癖があったようです。その事から、ダイイングメッセージであると分かりました。どうやら、宍戸の怨恨説には無理(仮出所で出てきたばかりなのに、また刑務所に戻るような犯行をするか?)があるみたいです。

周辺を探ると、見えていなかった事実が浮き彫りに!

ダイイングメッセージを漢字の「中」と仮定してみると、二人の存在が出てきました。一人はケンちゃんの兄・真一郎(内田朝陽)が経営する会社に勤める中井小百合(久保陽香)です。
彼女は、路上で落し物をした歳にケンちゃんと遭遇。落としたキーホルダーを見つけてもらい、ケンちゃんは小百合の会社に電話で知らせています。それが縁で小百合は、真一郎の会社に転職しています。この時に小百合は「会社名も連絡先も教えていないのに不思議でした」と思ったそうです。

もう一人に「中」を持つのは慶明大学の中垣教授でした。ケンちゃんの掛け持ちバイト先の印刷会社のロッカーに教授の「代数」の著作が置かれてあったのでした。本人に確かめると、ケンちゃんは講義を聞きに来ていて、類まれな数学センス・アプローチを持っていたと言っていました。加えて記憶力もずば抜けており「常人の域ではなかった」と、直接指導をした講師の服部(池田 良)も証言しています。

どうやらケンちゃんは、印刷会社で作成された極秘の入試問題を記憶、それを「ブローカー」へ流す実行犯の役割りを押し付けられていた模様。それを指示したのは、兄・真一郎です。自分の会社が倒産寸前の所を、謎の「ブローカー」から連絡と着手金が入り「頼む!」とケンちゃんにお願いしたのでした。
どうやらメッセージは文字ではなく、「Φ(空集合)」の意味であると右京は考え始めます。

「Φ」の謎は解けたが、ケンちゃんは還らぬ人に…

相棒16
ケンちゃんは“記憶として入試問題を盗みだす事”に成功しましたが、良心の呵責からか土壇場でソレを渡す事を拒みました。その相手こそが、「ブローカー」と繋がる人物・服部です。その上、解答の選択肢に本来の答えがない「出題ミス」を発見して、その解説を服部に始めます。解答がナイ=「Φ」だったというわけです。その姿を見た服部は、ケンちゃんの持つ数学的能力に嫉妬して「カァっとなって殺した」と自供しました。

なお、経営危機を脱した真一郎は、計画を続行について「いつも世話を焼いていた健次郎が、“数学者になりたい”と言い出して嫉妬した」と、右京の追求に対して述べていました。種類は違いますが、服部と真一郎の嫉妬が招いた事件だったと言えるのではないでしょうか。

ちなみに、ケンちゃんは2年前の宍戸との衝突した際に「サヴァン症候群」になったようです。そのために、小百合の(会社の)電話番号を記憶したり、冠城のプリカの番号を瞬時で読み取ったり(それが素数だったので、数学好きなケンちゃんには光って見えたらしい)した疑問も解けました。

『相棒』シリーズでは、数学をキーにした事件が数話描かれており、どれも秀作揃いです。今話も例外ではなかったようです。