クールジャパンで世界に売り始めた日本文化。そのなかでもアニメと漫画は世界でも多くの人を魅了し始め、聖地秋葉原には多くの外国人観光客がやってくるようになりました。
オタク文化も世界の文化となりつつあります。アニメオタク、鉄道オタク、カメラオタク、いろいろありますが、そのオタク、英語でどう言いますか?
真っ先に出てくるのがGeekですね。今回はGeekについてもう少し詳しく見てみましょう。
「Geek」の正しい意味と使い方
変わり者
「Geek」の由来はドイツ語から来たそうで、もともとは変わり者という意味。
20世紀初めは、サーカスなどで見世物として、鶏の頭などを食いちぎる人を指していました。人集めのためにいろいろ奇抜なことをする人がGeekと呼ばれ、彼らはほかにも、ネズミの頭や蛇をかじったりしたそうです。
そこから、社会的な普通からかけ離れた人たち、俗に言うちょっとダサい人達をGeekと呼ぶようになりました。例えば一般常識を超えた知能の持ち主や、独特の美的センスの持ちなど、卑下する意味で、ネガティブなニュアンスを含めGeekと呼びます。
例:Look at him. He came to this party on his own in that T-shirt. What a geek!
訳:彼を見てみろ。パーティーに一人で、あのTシャツで来るなんて。変な奴!
例:The geeky kid has a potential to invent a new technology.
訳:あの風変わりな子には新しい技術を開発する可能性がある。
オタク
自分の趣味に一途になると身なりに構わなくなるため、ほとんどの場合ファッションに疎く、ダサい恰好をしていたり人との付き合いが苦手なイメージがどうしても強いですね。
そんな繋がりからか、人並外れた熱意で一つのことに打ち込み、優れた技術や知識を持った人のことをGeekと呼びます。ちょうど日本語でいうオタクに当たります。主にコンピュータや機械、アニメや漫画を趣味とした人達になります。
ネガティブなニュアンスはありますが、アニメ等のサブカルチャーが開花し、Geekな人たちの活躍する場が増え、クールというイメージも持つようになりました。スターウォーズファンなどは、自らを「Star Wars Geek」と呼んで連帯感を強めているようです。
例:You know, she is a Ghibli Geek. She has seen every single film it’s produced.
訳:彼女はジブリオタクさ。ジブリ映画一つも残らず見てるんだから。
例:I like this gaming computer. Design is not that geeky.
訳:このゲーミングPCが気に入ってる。デザインがそんなオタクっぽくないし。
専門家
趣味の域を超え、一つの物事に長けた知識や技術のあるという意味で、Geek=専門家として使われることがあります。特にIT系や映像系の専門家を連想させます。
オタクたちが社会人になり、その技術、知識を活用しやすい環境が彼らの貢献度と共に知名度も上がってきたのでしょう。IT時代のおかげで、後に大成功し経営者、資産家になるなんて人も多いようです。
某オンライン辞典には『Geekとは、あなたが学生時代にいじめて、社会に出たらあなたを雇う者』と、ユーモラスに定義されていました。
例:We need to tall to a Tech Geek. We have a problem with our network.
訳:テクノロジーの専門と話したいです。ネットワークに問題があるので。
「Geek」の関連用語
Freak
Geekの意味に似た言葉でFreakがあります。変わり者、特に奇異なことをする人をFreakと呼ぶことがあります。
個人的見解かもしれませんが、Freakと呼ばれる人は、奇異なことをしたいがために、反社会的…とまでいかないにしても、一般とは逸した言動を、もしくは意図せずにもそのような言動をとる人を指す気がします。
また、人知では計り知れない超常現象を起こす人とか…。例えば、X-menの登場人物などでしょうか。人間は自分では理解できないものを怖がる傾向にありますから、そのような人をFreakと称するのでしょう。
似た感じでは、「バケモノ」なんて日本語でも言いますよね。
例:Look at him. He came to this party on his own in that T-shirt. What a Freak!
訳:彼を見てみろ。パーティーに一人で、あのTシャツで来るなんて。きもい奴!
Nerd
そして、NerdもGeekと意味が重なる部分があります。どちらも趣味に打ち込み知識が豊富な感じで、明確な境界線はありませんが、Nerdはよりアカデミックで、才能が有るけど不器用かつ内向的なイメージがあります。
所謂「ガリベン」タイプで、成績優秀で常に参考書を抱え持っているような人を指すのです。
例:I can easily tell he is a nerd, because a nerd usually wears yellow and blue stripes, is not handsome, and is not attractive.
訳:ガリ勉君はすぐに見分けられるわ。大体彼らは黄色と青の縞を着ていて、ハンサムじゃないし、魅力的じゃないの。
一方、Geekは活発的でもあり常に最新のガジェットをバックパックに忍ばせているような人を指します。どちらも揶揄的な意味が込められていますが、呼ばれるならGeekのほうが好まれるようです。
とはいえ、言葉は生き物。そのうち印象も意味も、時代とともに少しずつ変わっていくようです。
余談にはなりますが、一昔前、ディズニーランドにはミクロアドベンチャーというアトラクションがありました。物質を小さくできる装置を発明した天才科学者一家が、ゲストを小さくしてしまう騒動を起こすというストーリーですが、その一部で、「Inventor of the Year Award(年間発明者賞)」 の看板が壊れ、残った文字が「N・E・R・D」と綴られていました。
小さく一瞬なので気づいた人も少なかったかもしれませんが、気づけばクスっと笑える細かい演出がありました。ただし、Nerdの意味を知っていたら、ですが。
まとめ
- 「Geek」の正しい意味と使い方
- 変わり者
- オタク
- 専門家
- 「Geek」の関連用語
- Freak
- Nerd